先人たちの努力により伝えられ進歩を続けている胡粉塗りの技法は、人形が出来上がった後も変化を続け数十年の時間と共に独特の風合いを表わし人形の表情を生み出してくれます。私はその風合いに魅力を感じ、丁寧な人形づくりを心掛けています。伝統とは過去を守り続ける事だけではなく、新しいことに挑戦し続けることにより本当に良いものが残り、伝えられて行くものだと考えています。自ら動くことのない人形が見る人の心と共に笑って見えたり哀しそうにみえたり、そして手足の指先までが動き出しそうな表情をつくりたいと思っています。
人々はこの世に人形が無くても生きていられます。しかし人形が無ければ活きていけないと思っています。楽しい時嬉しい時、そして悲しい時辛い時、様々な思いと共に生活があります。いつでもそっとそばに居て優しい時間を感じさせてくれる人形。私の制作した人形が多くの人たちの暮らし彩り、「この子」と呼ばれ愛されることを願っております。元来、市松人形は「着せ替えを楽しめる人形」という特徴がありました。しかし現在では多くの人形メーカーが製作工程を分業して着せ替えの出来ない飾るためだけの市松人形が作られていますが、私は着せ替えが出来て身近に感じていただき手仕事の温もりが伝わることを願い、人形制作をしています。
1964年 | 人形師の祖父初代紫雲・父昌夫の元、東京墨田区本所(旧名・厩橋)に生まれる |
1983年 | 人形師の叔父藤村明光氏に師事 |
1988年 | 台湾で伝統工芸技術者と交流 |
1990年 | アメリカ・シカゴで製作実演(92/93/96/03年同) |
1991年 | アメリカ・ニューヨーク/ニュージャージーで製作実演 |
1993年 | 人形師の祖父「紫雲」の号を襲名 |
1994年 | フランス・パリで製作実演 |
1995年 | 松屋銀座ギャラリー和の座 初個展<藤村紫雲 幼子人形展> 東京都青年優秀技能者知事賞受賞 |
1996年 | 独立 「人形工房 紫雲」設立 |
1998年 | 鹿児島・SaTYスタジオギャラリー<継承の技・三華展> 横浜そごうジャパンショップ<藤村紫雲 幼子人形展> |
1999年 | 松屋銀座ギャラリー和の座<藤村紫雲の人形展> |
2000年 | 丸井今井札幌本店 ギャラリー<幼子人形二人展> |
2001年 | 第1回 軽井沢芸術祭 オペラ紙芝居「蝶々夫人」 人形協力 |
2002年 | テレビ東京系「あかたのげん」出演 名古屋 ノリタケの森ギャラリー<藤村紫雲 市松人形展> |
2004年 | 鹿児島KTSギャラリー二人展<つまみかんざしと市松人形展> 吉徳浅草橋本店 <江都市松技巧賑「人形微笑」展> |
2005年 | 大阪 「蔵」のギャラリーCLASSIC1010「市松人形 伝統・ほんものを楽しむ!展」出品 NHKラジオ 「ラジオ深夜便 東京ぶらり旅〜春を呼ぶ市松人形〜」出演 |
2006年 | 丸善名古屋栄店ギャラリー<「人形微笑」展 in 名古屋> 丸善岡山シンフォニービル店ギャラリー<市松抱き人形展> ジャパンFMネットワーク系列ラジオ番組「匠のことば」出演 |
2007年 | 墨田区伝統工芸保存会主催 小布施町墨田区交流事業 すみだ伝統工芸「技人」展 出品 丸善福岡ビル店ギャラリー<市松人形微笑展> テレビ朝日「食彩の王国」出演 横浜人形の家<市松人形微笑展> |
2008年 | 札幌大通美術館ギャラリー<市松抱き人形二人展> 江戸東京博物館<大江戸すみだ職人展>出品 すみだマイスター認定 |
2009年 | 名古屋丸善栄店ギャラリー<ひとがた飛翔展>出品 吉徳浅草橋本店<人形わざくらべ展>出品 すみだパークスタジオ倉<すみだの手仕事作品展>出品 |
墨田区伝統工芸保存会会員 すみだマイスター |
FUJIMURA Shiun
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